0120-214-707
平日:10:00~19:00 ※祝~17:00 / 土日:休業

ブログ

時計修理技術者コラムVol.32 クロノグラフのセンターセコンドの針飛び~Cal.ETA7750編~

時計修理技術者コラムVol.32 クロノグラフのセンターセコンドの針飛び~Cal.ETA7750編~

クロノグラフの針飛びとは?

クロノグラフ(ストップウォッチ機能)を搭載しているモデルで起こる不具合として「センターセコンドの針飛び」があります。針飛びとは、クロノグラフのスタートボタンを押しても針がスムーズに動作せずに、一度に大きく動く、不規則な動きをする現象を指します。
今回はETA社のCal.7750を例に取って、センターセコンドの針飛びについてご紹介いたします。

針飛びの原因

センターセコンドの針飛びの症状は、針を抑えている部品(フリクションスプリング)の経年による変形が原因です。

フリクションスプリング拡大

Cal.ETA7750/フリクションスプリング拡大図

ムーブ全体

Cal.ETA7750/全体
フリクションスプリングはムーブメント中心に取り付けられています。

ムーブ全体

フリクションスプリングの上にはクロノセンター車(センターセコンドが取り付けられる歯車)が取り付けられ、クロノセンター車に適切なテンションをかけることでクロノグラフが正常に作動します。

不良フリクションsp

フリクションスプリングは薄い板状のバネになっています。長期間に渡り使用されたフリクションスプリングは変形し、クロノセンター車に対して十分なテンションをかけることができず、針が飛んでしまう症状が起こります。

針飛びの修正

修正フリクションsp

針飛びが起こった際は、前出のフリクションスプリングのバネ部分を調整し、クロノセンター車に適切なテンションがかかるように調整を行います。この際にテンションを強くし過ぎると、時計全体の抵抗が大きくなってしまい、動作に不具合が出るため、非常に繊細な作業になります。

クロノグラフの不具合が起こったら……

7750

センターセコンドの動きに異常を感じたら、今回説明したフリクションスプリング以外にも不具合がある可能性があります。ぜひ無料の見積りをお試しください!

見積・修理依頼


Return Top