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時計修理技術者コラムVol.4 ベゼルのトラブル~ブライトリング・回転インナーベゼル編~

時計修理技術者コラムVol.4 ベゼルのトラブル~ブライトリング・回転インナーベゼル編~

回転インナーベゼルの不具合

ブライトリングのナビタイマーといえば、航空用回転計算尺を搭載しているベゼルで有名ですが、そんな回転インナーベゼル搭載のオーナー様から「ベゼルの回転が重くなってしまった。」「ベゼルが完全に固まってしまった(動かなくなった)」などの問い合わせを頻繁にいただきます。

今回はブライトリングのナビタイマーを例にとって、回転インナーベゼルの不具合と、修理時の対応をご紹介いたします。

時計ケースの構造

ケース1

ナビタイマーのケースの構造は【スリーピース構造】と呼ばれているもので、回転計算尺が内蔵されているベゼル、ムーブメントが収まるミドルケース、裏蓋の3つからなります。

ベゼル

ベゼル

ミドルケース

ミドルケース

裏蓋

裏蓋

このケース構造の大きな特徴としては、ベゼル部分が3点のピンで固定されていることです。

固定ピン固定ピン拡大

ベゼルの動作不良は、ベゼルとミドルケースのわずかな隙間から汚れが浸入し固着してしまう、ベゼル内部に取り付けられているゴムパッキンのシリコングリス切れ、パッキンの劣化などが原因になります。

ケースの隙間

ベゼルとケースのわずかな隙間から汚れが浸入します。

グリス塗布

油が乾いてしまったパッキンは、シリコングリス塗布し直します。

プラスチックパッキン

ベゼルの裏には、ゴムパッキンの摩擦を軽減する役割を担っているプラスチック製のパッキンが内蔵されています。洗浄の際は、この部分の汚れも丁寧に除去します。

特殊形状パッキン

ゴムパッキンは特殊形状(溝や段差が付いています)のものが多く、交換対応ができない場合は、汚れを徹底的に除去し、シリコングリスを塗布します。

上記の作業を行い、ケースを組みなおすと、ほとんどの場合は修理前よりもスムーズにベゼルが回転するようになります。

ベゼルの回転が悪くなったら……

時計の機能に直接影響する箇所ではなく、使用することがほとんどない機能のため、気付きにくい不具合ではありますが、ベゼルの油が乾いているということは、ムーブメント内部の油も減少している可能性が高いため、オーバーホール時期の目安になるのではないでしょうか?
お持ちのお時計のベゼルの回転が悪くなってしまった場合は、是非ご相談ください。無料でお見積もりさせていただきます。オーバーホール含む修理も、ベゼルの回転不良に対する部分的な修理も承ります。

見積・修理依頼


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