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今回は故障の原因となる部品の不具合について紹介させていただきます。
ゼンマイ切れ
ゼンマイとは時計の動力源となる部品です。
リューズの手巻きや自動巻きローターによって巻き上げられたゼンマイが元に戻る(ほどける)力によって機械式時計は動作します。
ゼンマイは、「香箱(こうばこ)」という円柱型の部品に収納されています。
香箱
香箱にゼンマイが収納されています。
香箱自体も歯車の役割があり、巻き上げられたゼンマイがほどけようとすることで香箱が回転して時計を動かしています。
ゼンマイが切れる理由
・金属の経年劣化
・ゼンマイの巻き過ぎ
・潤滑油の劣化
ゼンマイが切れるとどうなる?
・止まってしまう(巻き上げができなくなる)
風防割れ
風防とは時計の文字盤を覆う透明なカバーで衝撃や異物などから保護する役割を担っています。
風防が割れる理由
・衝撃や必要以上の圧力が加わることでひびや割れに繋がる
風防が割れるとどうなる?
・破片やごみが時計内部に混入してしまう
・密閉性が確保できず、内部に水滴や湿気が入ってしまう
リューズ抜け・巻真折れ
リューズとは多くの時計で3時位置に取り付けられている部品です。
ゼンマイの巻き上げや、時刻・日付を合わせるのに使用されます。
リューズが抜ける理由
リューズを固定しているオシドリ・裏抑えやリューズと機械をつなぐ軸(巻真)の摩耗や破損により、リューズ(巻真)が固定できず外れてしまいます。
巻真が折れる理由
・水入り、湿気入りによる金属の経年劣化やさびによるもの
リューズに不具合が起きるとどうなる?
・時間調整や手巻き操作ができなくなる
・水、湿気などによるムーブメントへのダメージ(さび)、ごみなどの混入などによる止まり
カレンダー故障(カレンダーディスクの摩耗)
カレンダーディスクとはカレンダーの日程を表示するための部品です。
カレンダーディスクに不具合が起きる理由
カレンダーディスクは長期使用・経年劣化により、ディスクを送る歯が削れてしまうことがあります
カレンダー故障(カレンダー車破損)
カレンダー車とはカレンダーディスクを送る役割をしている歯車です。
カレンダー車は、1日(24時間)をかけて1周します。
カレンダー車の爪がカレンダーディスクの歯を1日分送る構造になっています。
※(写真前)通常のカレンダー車(写真後)カレンダー車の爪が曲がってしまった状態のもの
カレンダー車に不具合が起きる理由
カレンダーには操作禁止時間帯が設定されていて、禁止時間帯に早送り操作を行ってしまうと故障の原因となります。
そのためカレンダーの早送りは禁止時間帯を避ける必要があります。
操作禁止時間帯
(20:00~04:00)には日付を送るためにカレンダー車等の歯車がかみ合っている(かみ合い始めている)状態となります。その状態で無理に早送りを行うとカレンダー車の詰めが変形したり、歯車自体が破損してしまいます。
操作可能時間帯
時計上の時間が06:00(もしくは18:00)であれば歯車は解放されている状態のため、部品に負荷を与えずに早送り操作をすることができます。
カレンダーが破損するとどうなる?
・針回しで日付が送られなくなってしまう
・0時付近に日付が変わらず、大幅にずれてしまう
リバーシング(切替車)破損
リバーシングとは自動巻きローターの回転をゼンマイに巻き上げる力に変換する役割を担う部品です。
ローター→リバーシングホイール→ドライビングホイール(巻上車)→角穴車→香箱という順番でゼンマイまで力が伝わっていきます。
リバーシングが破損する理由
長年の使用による摩耗や必要以上に手巻きをすることで不可が掛かり破損に繋がります。
リバーシングが破損するとどうなる?
・時計が止まる
・自動巻きの調子が悪くなる
・手巻きが重くなる
・手で巻くときにローターも一緒に回転してしまう
まとめ
今回は不具合が起きた時計内部の部品について、数ある部品の中から一部を紹介させていただきました。
内部部品1つの不具合で時計の動きに支障が出てしまう可能性がございます。
お持ちのお時計に違和感を感じられた際は、ぜひ一度WATCHCOMPANYにご相談ください!