
夜光塗料は、暗所や夜間に時計の視認性を高めるための重要な機能です。
ロレックスを含め腕時計には、針やインデックスに夜光塗料が塗布されています。
ロレックスは長い歴史の中で夜光塗料も数々のアップデートを行ってきました。
今回はロレックスの夜光塗料をご紹介いたします。
夜光塗料とは
夜光塗料とは、光のエネルギーを蓄え、暗闇で徐々に光を放出する塗料を指します。
「蓄光塗料」とも呼ばれ、腕時計においては文字盤や針の夜間の視認性を高めるために使われます。
夜光塗料の種類としては、自ら光を発する「自発光塗料」、光を蓄えて放出する「蓄光塗料」に分類されます。
ROLEX夜光塗料の種類
ラジウム(自発光:1920年代~1960年代頃)
放射性物質であるラジウムは、ラジウムの放射線で蛍光物質を刺激して光らせる「自発光型」の夜光塗料となります。
トリチウム(自発光:1960~1998年頃)
トリチウムをエネルギー源とし、周囲の光を必要としない自発光式の夜光塗料です。
光を貯める蓄光塗料とは異なり、常に一定の光度で発光し続けます。トリチウムには半減期が12年程度で発光が弱くなったり、経年劣化による変色が起こります。
放射性物質のため、人体への影響や規制のため、現在は使用されてなくなりました。
ロレックスでは主に4桁(5桁の一部)のリファレンスを持つモデルで採用されていました。
※現在は製造から年数も経過しているため光らなくなっている個体が多く存在します。
ルミノバ(蓄光:1998年~2000年頃)
太陽光や照明器具の明かりを短時間で吸収し蓄え、暗い中で長時間光を放つ蓄積性の夜光塗料となります。
トリチウムが廃止されて以来、放射性物質を含まないルミノバが主流として使用されるようになりました。
スーパールミノバ(蓄光:2000年~現在)
スーパールミノバは日本で開発された蓄光で従来のルミノバよりも明るく、発光時間が長いのが特徴です。
クロマライト(蓄光:2007年以降)
ロレックスが独自で開発した夜光で、発光時間はルミノバの2倍相当といわれており、青色に光るのが特徴です。
夜光の見分け方
文字盤の6時側にそれぞれ下記の表記があります。
ラジウム
「SWISS」または「SWEISS MADE」
トリチウム
「SWISS-T<25」・「T SWISS-T<25」・「T SWISS T」・「T SWISS MADE T」
ルミノバ
「SWISS」:シリアルがU番(1997年)~A番(1998年-1999年)
「SWISS MADE」:シリアルがU番(1997年)~A番(1998-1999年)~P番(2000年)以降
クロマライト
「SWISS MADE」
2007年以降採用
夜光の種類 | 見た目・特徴 | 使用された時期 |
ラジウムの可能性有り | SWISS SWISSMADE 無表記 ※1960年代製造 |
1920年代~ 1960年代 |
トリチウム | T表記あり 緑色に発光 |
1960~ 1998年 |
ルミノバ | SWISSのみ 緑色に発光 |
1998年~ 2000年 |
スーパールミノバ | SWISS MADE 緑色に発光 |
2000年~ 現在 |
クロマライト | SWISS MADE 青色に発光 |
2007年~ |
※製造年代に関しまして以前の記事で掲載させていただいておりますのでこちらもご確認ください
まとめ
今回はロレックス夜光について紹介させていただきました。
アンティーク、ヴィンテージのモデルではトリチウムからルミノバへ針や文字盤が交換されている個体も多く存在しています。
現在日本ロレックスでは文字盤や針の劣化状態により、メンテナンスの際に交換の案内をされることが多いようです。
当時のオリジナルの状態での購入を考えている方、これからメンテナンスを考えているオーナー様は参考にしていただけますと幸いです。